これが歴史!池江師が見た調教師の執念
【“穴王子”豊島記者フランスをゆく】
凱旋門賞当日のロンシャンには多くの関係者が駆けつけ、声援を送った。12、13年とオルフェーヴルで続けて2着と涙をのんだ池江師もそのひとり。「応援団長として来た」というトレーナーは「きょうの馬場は硬くて日本向きだった。それでも負けたのはショック」と語ったのち、壁の厚さについて調教師目線で次のように答えた。
「トレヴのヴェルメイユ賞(4着)は出来が悪かった。きょうも去年ほどではなかったけどね。それでも勝たせるヘッド師の執念がすごい。凱旋門賞へのアプローチの仕方というのかな。これが歴史、技術なんだろうね」
昨年、オルフェーヴルに騎乗したスミヨンは「ファーブル厩舎(調教師最多の7勝)は必ず凱旋門賞で上位に何かを持ってくる」と言っていたそうだ。「きょうも人気のなかったフリントシャーが2着。彼は凱旋門賞への馬づくりを知っている」。創設された20年以降、欧州調教馬以外が制していない一戦。勝つための“ノウハウ”が日本勢には欠けている。これが俗にいう“伝統の重み”かもしれない。
今年も届かなかった世界の頂。「挑戦し続けるしかない」。いつの日か、回答が得られると信じたい。