【競輪】柔の石井VS剛の加瀬が火花
「ガールズグランプリ2013」(28日、立川)
今年末も競輪はグランプリ3連発。東京都の立川競輪場では28~30日、KEIRINグランプリ(GP)シリーズが行われる。28日は「ガールズグランプリ2013」、29日は「ヤンググランプリ2013」。そして30日は優勝賞金1億円の「KEIRINグランプリ2013」だ。いずれも好勝負必至だが、デイリースポーツは石井、加瀬の初対決で盛り上がるガールズGPと、単騎で戦う選手が多くなりそうなKEIRINGPに注目。大一番を前に動向を探ってみた。
「ガールズグランプリ2013」は28日、立川競輪11Rで優勝賞金700万円をかけて争われる。注目は何といってもガールズ1、2期生のトップヒロイン・加瀬加奈子と石井寛子がプロになってからの初対決。剛の加瀬か、柔の石井か‐。2代目女王の座をかけた決戦が、28日にスパークする。
加瀬と石井、本来ならばファン投票によって選出された9月の京王閣ガールズコレクションで真のヒロインが決まるはずだったが、決戦直前に加瀬が交通事故を起こし自粛欠場したため、ドリームバトルはこのグランプリに持ち越しとなった。
加瀬はまず「ご迷惑をおかけしました」と頭を下げたあと「華やかばかりがすべてじゃない。いろいろ乗り越えて、人として成長できた」。今年を漢字一文字で表すと、寄せては返す“波”とした。
一方、石井は目標に掲げた3つのうち、デビュー戦、コレクション優勝の2つをかなえた。そんな実力を持ちながらも今年を表す漢字は“辛”“苦”“厳”と3つも挙げた。「結果を残すという軸はぶらしたくない。そこが崩れると大変。でも自分の力で勝ってはない。プロの世界が厳しいのを実感して、決して楽しくはなかった」と意外な胸中を吐露した。
それでもダブルヒロインの実力が抜きんでているのは、誰もが認めるところ。現に五輪出場もみすえた訓練を、ナショナルチームの一員として切磋琢磨(せっさたくま)している間柄でもある。
さてグランプリ出場2度目の加瀬は「逃げ切れなかったけど理想通りの走りができた。ファンが多くて動揺したけど、気持ちいい緊張だった」と昨年を振り返りながら、今年にかけては「先行が不利なバンクでも逃げ切るストーリーを演じられるのは私だけ」と“剛”を前面に押し出した。
1年前は競輪学校の生徒だった石井だが、グランプリ開催時は現地を訪れていた。「華やかでワクワクしたし、見ていて緊張した」と外からみる立場だった。しかし、今や自分がきっちりと演じる立場に「全員が動くと内に詰まったり、後方になったりとやりにくい。全員を気にしないといけないけど、加瀬さんが先行のときは番手にいるのが理想」。こちらは“柔”な対応で、目標に掲げた最後の1つを達成しにかかる。