【競輪】一宮が64年の歴史に終止符
16日、一宮競輪が64年の歴史に終止符を打った。ラストは天候に恵まれて絶好の競輪観戦日和になり、入場者数(4304人)今年度最高。全レース終了後のバンクウオークには1000人以上が参加し、バンクとの別れを惜しんだ。
中部地区で初めて競輪場の灯が消えた。一宮競輪場は16日の開催を最後に、64年の歴史に幕を閉じた。競輪場の廃止は2000年以降7場目となった。
一宮競輪場は1950年11月にオープン。日本選手権を4回、オールスター競輪を6回開催し、中部地区のメッカとなったが、平成に入ると景気の低迷やを受けて赤字が多くなり、2009年から市議会で競輪事業からの撤退が議論になり、13年12月の市議会で一宮本場での競輪開催の廃止が決定した。
日本競輪選手会愛知支部の支部長で、一宮をホームバンクにする一丸安貴(40)=愛知・70期・S2=は全レース終了後のあいさつで「(一宮バンクは)一番多く走り、一番多く一着を取り、一番多く優勝した競輪場でした。無くなるのは寂しいが、心の中に永遠に残る競輪場です」とつらい心境を吐露した。
一宮ラストの開催、A級1、2班戦で優勝した塚本貴雄(42)=岐阜・70期・A1=は「敢闘門を出たらファンの数がすごかった。周回中の声援も多く力になった。まだまだ競輪ファンはいるし、もうこれ以上競輪場はつぶれてほしくない」とつぶやいた。
今後の一宮競輪場は本場開催が行われないが、14年度は場外車券売場として存続が決定した。しかし、15年度に関しては未定。先行きは不透明である。