【競輪】稲川が初G1制覇!GP決めた
「高松宮記念杯・G1」(15日、宇都宮)
稲川翔(29)=大阪・90期・S1=が、脇本雄太の番手から抜け出して1着。ゴール前で菊地圭尚と接触して審議対象となったが、G1決勝進出5回目で初制覇を成し遂げた。地元で初開催となるKEIRINグランプリ(12月30日・岸和田)の出場権も獲得。2着には大塚健一郎、3着には岩津裕介が入った。1番人気の浅井康太は6着に敗れた。
1着が確定した瞬間、稲川は安どの表情を浮かべた。ゴール直前で接触した菊地が落車(9着)して審議対象となっただけに、「失格じゃないのを願っていた。夢みたい」と、うれしいG1初制覇に胸をなで下ろした。
道中は脇本の番手を死守することに専念。ライバルに狙われる位置であることは想定していた。予想通り菊地に奪われかけたが、懸命に踏ん張ると、あとは必死に駆けるだけだった。「誰が来てもおかしくなかった。気を引き締めていただけ。正直、何も覚 えていない」。最後まで無我夢中だった。
「近畿地区の選手でいなかったら、ここまで大きくなることはできなかった」。同じ大阪支部の先輩はもちろん、京都支部で選手会脱会騒動による自粛期間中の村上義弘、博幸兄弟にも大レースで一緒になると叱咤激励を受けた。「みなさんに鍛えてもらったおかげです。少しは恩返しができたと思う」と感謝の言葉を口にした。
この勝利で地元・岸和田で開催されるKEIRINグランプリの出場権をゲット。「目標だったので」と喜びをかみしめる。「まだG3も優勝していないのに。これからの方が大変だと思うし、近畿の代表として、さらに大きくなりたい」。ニューヒーローは満足することなく、年末の大一番へ向けて突き進む。