【競輪】村上義、武田8月復帰へ
日本競輪選手会(日競選)は23日、都内で綱紀審議委員会と理事会・支部長合同会議を開き、昨年末に「SS11」への移籍・脱会騒動を起こした選手23人のうち、村上義弘、武田豊樹ら18人への自粛休場の制裁軽減を決めた。18人への制裁は5月からの3カ月間に一律で短縮され、8月からレースに復帰可能となる。
日競選が競輪業界の事態改善に向けて英断を下した。初めて制裁処分の見直しを検討した10日の定例理事会から約2週間。最長1年間だった自粛休場の期間を3カ月まで短縮。選手会内でクーデターを起こした反乱者への大幅な譲歩で、日競選が早期決着を図った。
この日、日競選は午前の綱紀審議委員会で制裁処分の軽減を決定し、午後の理事会・支部長会合同会議で承認。「制裁を受けた者が、その後改悛(かいしゅん)の情顕著であることが認められるときは綱紀審議委員会に諮り、理事長はその制裁を軽減することができる」という内規の褒賞制裁規定第10条を適用した。
制裁処分の対象になった選手23人のほとんどが、最高峰のS級S班などにランク付けされる人気レーサー。5月から制裁処分の自粛休場が始まると、売り上げ減を懸念した全国競輪施行者協議会は期間短縮を要望し、ファンも批判や不満の声をあげた。
日競選も事態打開への模索を続けた。制裁処分の対象選手に軽減の条件として、レース復帰後に獲得できる賞金の一部を寄付することなどを提案。今回は同意の意思を示した18人が軽減されたが、長塚智広ら残り5人からは全面的な同意を得られなかった。
今回の制裁軽減が決まったことで村上義ら18人の選手は、8月1日の開催からレース復帰が可能。今年後半のG1や年末のグランプリなども、出走回数や選考基準を満たせば出場できる見込みだ。