【競輪】尾崎睦“ビーチの女王”転身
7月は競輪界の新学期。夢や希望に満ちあふれたルーキーたちが、各地の競輪場でデビューする。2012年7月に復活したガールズケイリンでは4期生がデビュー。注目はビーチバレーから転身した尾崎睦(30)=神奈川=だ。浅尾美和、菅山かおるらと競った“ビーチの申し子”が、戦いの場を砂浜からバンクにチェンジ。そこで今回のKEIRIN屋は新たな舞台での戦いに挑む尾崎に、心境を聞いてみた。
-まずは競輪選手を目指したきっかけから。
「小学校3年生のときにバレーボールを始めて中学、高校とインドアの6人制バレーボールをやっていました。大学進学のときにビーチバレーがやりたくて、東京女子体育大学に決めました。ビーチバレーは楽しかったし、やりがいもあったんです。でも、国内の大会では勝てるのに、オリンピックを目指すとなると、勝てないことも多く、手応えがなくなっていったんです。そんな悩んでいるとき、地元のジムのトレーナーさんにガールズケイリンのことを教えてもらったのが、競輪挑戦の入口でしたね」
-デビューを目前に控えた心境は。
「自転車の経験がなくて不安だらけだったけど、最初からうまくいくと思っていませんでした。でも、練習するごとにタイムが良くなっていくし、競輪が楽しくなってきましたね。3月に静岡競輪場で行われた卒業記念レースでは、4連勝で完全優勝もできました。競輪学校を卒業してからは地元の平塚で、師匠(渡辺秀明)と一緒に練習をしています。5月18日に別府競輪場で行われたガールズケイリンのエキシビション(湯の花カップ)で先輩たちと一緒に走って、2走とも先行できましたが、お金のかかったレースとは別と思います。デビューまで時間はないですけど、少しでも脚力を上げて、7月10日からの川崎に備えたいですね」
目標は奥井迪
-目標や夢は。
「競輪選手で頑張ると決めた以上、上を目指します。まずはガールズグランプリ優勝。優勝できたら大きな四輪駆動の外車が買いたいですね。目標とする選手は奥井迪さん(東京)。先行逃げ切りは格好がいいし、憧れます。将来的にはナショナルチームの活動にも興味があります。ビーチバレー時代に2回オリンピック出場を目指しましたが、世界と差を感じて諦めました。今度は自転車でオリンピックを目指してみたい気持ちはあります」
-ガールズケイリンに対する思いは。
「もっと有名になってほしいです。学生たちや、ほかのスポーツをやっている人たちに、ガールズケイリンをもっと知ってほしいんですよ。自分が選手を続けているうちに、新人に『尾崎さんを目指して選手になりました』と言われる存在になりたいですね。私もそうだったけど、ガールズケイリンを目指すのに、自転車競技の経験はいらないと思います。何かスポーツをやっていればアドバンテージになると思うので、強い気持ちを持って競輪界に飛び込んできてほしいですね」