光星・北條、完全燃焼の3季連続準V
「高校野球・決勝、大阪桐蔭3‐0光星学院」(23日、甲子園)
力はすべて出し切った。3度目の挑戦でも、ついに立てなかった頂点。それでも史上初の3季連続準優勝に、光星学院・北條史也内野手(3年)はスッキリした表情を浮かべた。「自分のスイングができてよかった。すごいピッチャー。春より成長していて打つのが難しかった」と、相手エースの藤浪をたたえた。
準決勝まで4戦4発、全試合で打点を挙げてきた主砲が4打数無安打。130キロ台後半のカットボールに二回は見逃し、七回は空振りで2三振を喫した。主砲の沈黙に引きずられるように、準決勝まで堅かった守りが乱れる。五回には大杉の悪送球でビハインドが3点に。3季連続決勝の経験を生かせなかった。
約束の場所にはたどり着いた。小学校時代の05年、盟友・田村龍弘捕手(3年)らと大阪桐蔭の試合を観戦した。あこがれの存在は、2人で光星学院への進学決定後は「あのチームを絶対倒す」と誓い合う目標に変わった。全国制覇をかけて2季連続の対戦。ただ、最後の一歩が遠かった。
コンビでドラフト上位候補になるまで、お互いを高め合った。2三振しながら、九回に中前打を放って意地を見せた田村が「北條との出会いがなければ、ここまでやってこられなかった」と話せば、北條も「一緒にやってきてよかった」と振り返った。
東北勢初の栄冠は勝ち取れなかったが、プロ入りを希望する2人。センバツ決勝では合わせて5安打した藤浪に、1安打に抑え込まれた。「今度、対戦する機会があったら絶対打ちたい」と北條。藤浪へのリベンジは、新たなステージで果たしてみせる。