藤浪3連投もラフプレーでV逸

 米国戦に先発した日本・神原
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 「18U世界野球選手権・2次R、米国10-5日本」(7日、ソウル)

 日本が5‐10で米国に敗れ、決勝進出はならなかった。1点リードの七回に3連投となる大阪桐蔭・藤浪晋太郎投手(3年)を投入したが、味方の守備の乱れと相手のラフプレーで流れを失い、悔しい逆転負け。日本は韓国、コロンビアと並んで2勝3敗となったが、大会規定により韓国とともに5位決定戦に回った。決勝はカナダ対米国。

 1位通過を逃した悔しさよりも、怒りのほうが強かった。小倉全由監督(55)は「あれは野球じゃない。死んじゃいますよ」と声を荒らげた。

 日本が1点リードの七回に“事件”は起こった。3連投となる藤浪をリリーフさせたが、北條の連続失策で無死二、三塁とされた。その際、三塁ベース付近で田村と走者が交錯。さらに続く打者の一ゴロの間に、本塁を狙った三塁走者のR・マグワイアが、完全にアウトのタイミングながら本塁付近で森に“ハードタックル”を見舞うラフプレー。このプレーで森はしばらく起き上がれず、小倉監督が主審に説明を求めた。

 いったんベンチで治療を受けた森は、数分間で再び守備に戻ったが、これで流れが微妙に変わる。藤浪が7番ビジオに同点打を許すと、再び本塁上で走者と森が交錯、森は倒れこんだ。

 小倉監督が再三、審判にアピールしたが、審判の判定は「あくまでホームをねらったもの」。危険なプレーなどの判定は下されなかった。

藤浪「冷静さ欠いた」 藤浪にとって、森は大阪桐蔭のかわいい後輩。だが負の流れを止められず、この回4失点。「仲間がケガをしたことで腹が立ったけれど、投手は一喜一憂してはいけない。でもその(森が倒れた)後、連打と暴投が出て、冷静さを欠いた」と反省した。

 自身初の公式戦3連投にもかかわらず、自己最速に1キロと迫る152キロを計測するなど状態は悪くはなかった。それだけに「あれが野球とベースボールの違いでしょうか」と、やり切れない表情でつぶやいた。

 一時、脳しんとうの症状を起こした森は、試合終了直後にソウル市内の病院へ向かった。日本チーム側によると「理学療法士の判断で、頭と首を打ってむち打ちの可能性があるため、大事を取った」という。

 勝てば決勝進出だったが、悔しい逆転負けで8日に行われる韓国との5、6位決定戦に回った。「日本の野球は違うんだ、というのを見せたい。選手はやってくれますよ」。怒りの交じった小倉監督の声が響いた。

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