桐光学園・松井、来春センバツ絶望的
「秋季高校野球神奈川大会・準々決勝、平塚学園2‐1桐光学園」(22日、保土ケ谷)
準々決勝で、今夏甲子園8強の桐光学園が平塚学園に敗れ、来春センバツ出場が絶望的となった。甲子園で1試合22奪三振の新記録を作った松井裕樹投手(2年)は、公式戦10試合連続2桁奪三振となる、8回2安打12奪三振の力投を見せたが、失策などが絡んだ2失点に泣いた。
目に涙はなくとも、重い足取りとうつむく姿に無念さがにじみ出た。「隙が多かった。試合中も『いける』という気持ちがあった」。号泣した甲子園の敗戦から1カ月。松井が早くも来春センバツへの道を絶たれた。
今夏神奈川大会準決勝では5‐3と破った相手に、不安視していた形が失点に結びついた。三回は2死三塁から宝刀・スライダーで空振り三振を奪ったが、ワンバウンドを捕手が止めきれず振り逃げで同点に。五回は先頭打者のフライを一塁手が落球。迎えた2死三塁のピンチで、高めの直球を左中間に運ばれた。
直球は今大会自己最速の145キロを計測。相手のエースで4番・熊谷は3打席連続三振に封じた。勝ち越されて以降は流れを変えようと、六回からの3回で7三振を奪った。初回には左前打でチーム唯一の得点も挙げた。それでも「味方のエラーをカバーするのが自分の役割。不用意な真っすぐを打たれてしまった。力不足。悔しいです」と、責任を背負い込んだ。
野呂雅之監督(51)は「点の取られ方としては夏からあった。どれだけ点を取れるかが課題だった」と敗因を挙げた。好投手・熊谷に打線は6安打。新バッテリーのほころびや守備のミスを突かれれば『打たれなくとも負ける』可能性はあった。
目指す全国制覇へ、松井に残されたチャンスはあと1回だけとなった。「夏まで長いですけど、目標を見失わずに厳しい練習をしていきたい。ロースコアでもゼロに抑えれば負けることはない。完封を追い求めてやっていきたい」。唇をかみしめて成長を誓った“神奈川のドクターK”は、再び輝きを放つ夏へ向け、雌伏の時に入る。