藤浪“高校3冠”手土産にドラフトへ

 「岐阜国体高校野球・準決勝、大阪桐蔭13-0桐光学園」(3日、長良川)

 岐阜国体高校野球は準決勝を行い、甲子園春夏連覇の大阪桐蔭が3投手の完封リレーで快勝。153キロ右腕・藤浪晋太郎投手(3年)は九回に3番手で救援登板。1安打1奪三振で無失点に抑えた。台風の影響による日程変更で決勝進出2校が優勝となるため、仙台育英とともに国体初優勝。1998年に松坂大輔投手を擁した横浜(神奈川)以来3校目の春夏甲子園と国体の3冠を達成した。

 年初から目標にしていた3冠を達成した。高校最後の1球は113キロのカーブで中飛。胴上げ投手となった藤浪は、勝利を確認すると表情ひとつ変えずマウンドを降りた。

 「3年間やってきた桐蔭の野球が終わったな、このユニホームを着てやることはもうないなと思った」

 3年間、苦楽を共にした沢田、原崎の後を受け、九回1イニングだけの最終登板。最初の打者を空振り三振。続く打者に二塁打を許したが、後続は二飛、中飛で打ち取った。150キロ台は出なかったが「ほかの3年生が投げられたので、自分は短いイニングでもしっかり投げた」と仲間とともに勝ち取った最後の優勝を喜んだ。

 この日は阪神、ソフトバンク、巨人のスカウトが視察した。1位指名を公表している阪神の畑山スカウトは最後まで試合を見届け「3年間で心技体の、特に心の面で成長を見せてくれた」と満足そうに話したが、押しも押されもせぬ大投手になった現在の藤浪を作ったのは、昨夏の大阪大会決勝での敗戦だ。

 「去年の悔しい負けからしっかり勝つという目標が果たせた。このチームに入ってよかった」。センバツ、春季近畿大会、夏の大会に続き国体も制した藤浪は、公式戦31連勝した喜びを静かにかみしめた。

 国体が終わり、いよいよプロへの準備に切り替える。ドラフト会議は25日。「しっかり練習してその日(ドラフト)を迎える。プロでも勝ちにこだわっていきたい。ダルビッシュ選手(レンジャーズ)や前田健太投手(広島)のような尊敬される投手になりたい」。一流投手を目指し、まずは体づくりに励む。

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