広陵センバツ当確!エース下石大暴れ!
「秋季高校野球中国大会・準決勝、広陵2-0岩国商」(3日、周南市野球場)
広陵(広島3位)が岩国商(山口1位)に完封勝ち。決勝戦に進出し3年ぶり23度目のセンバツ出場を確実にした。広陵はエース・下石涼太投手(2年)が9回3安打13奪三振無失点と好投。打っても八回に右越えソロを放つなど、投打でチームを白星に導いた。
マウンドではポーカーフェースを信条とする右腕が、感情を爆発させた。「うれしくて自然と出してしまいました」。最後の打者を一ゴロに打ちとり試合終了。来春のセンバツ出場を確実とし、下石は思わず力強く右拳を握りしめた。
二、三、四回と得点圏に走者を背負いながら、無失点で切り抜けると、五回以降はわずか1安打。3安打13奪三振での完封に「落ち着いて失投しないように心がけた。3年生の人などたくさんの応援をいただいて、感謝の気持ちでいっぱいです」と言えば、中井監督も「最後まで粘り強く投げてくれた」と褒めた。
最速142キロの直球を軸に、昨夏から習得に着手してきたチェンジアップが効果的に決まった。人さし指と親指でサークルを作り、中指から小指でボールを握るのが一般的だ。しかし下石は小指をボールの下に置く。力が抜け直球と同じように腕が振れたため、この握り方となった。直球との球速差は約20キロ。緩急を駆使した投球で的を絞らせなかった。
広陵出身で今季、新人ながら9勝をマークしたカープ野村を目標とする。「テンポがよくて何があっても動じない。誰からも頼られるところがすごい」。八回には公式戦初本塁打となった右越えソロを放ちバットでも存在感を示した。
決勝戦の相手は関西。中国制覇へ、エースの目に力がこもった。