京都翔英、近畿制覇!大物食い本領発揮
「秋季高校野球近畿大会・決勝、京都翔英3-2報徳」(4日、ほっと)
秋季近畿大会決勝は初出場の京都翔英(京都)が報徳学園(兵庫)を下し、初優勝を決めた。1‐1の延長十三回、2死二、三塁から6番・田中鳳真外野手(2年)が決勝の2点二塁打。先発・榎本和輝投手(2年)が7安打2失点で完投した。これで来春センバツ出場の重要参考資料となる全地区の秋季大会が終了した。
延長十三回、190球を投げ抜いた京都翔英・榎本はすがすがしい表情で「終盤はバテたが、力を抜いて下半身を使って投げるようにした」と振り返った。初回に先制を許し、三回には3番・岸田の頭部に死球を与え「相手ベンチを見てしまった」と動揺したが「オレを信じて投げろ」と捕手の山口に励まされると、平常心に戻った。
六回に自らの二塁打を足掛かりに同点としたが、その後は援護がなく延長戦へ。それでも「誰かが打ってくれると信じていた」と耐えた。昨秋以降、右肩のケガの影響などで1年以上マウンドから遠ざかった右腕は今大会で復活。準々決勝の履正社戦でも12回を投げるなど、準決勝以外の3試合を完投した。
10年夏の府大会で準優勝しているが、これまで目立った成績は残していない。就任7年目の太田弘昭監督(40)は「今年の春と夏の大会は0‐10でコールド負け。このままで終わらないという思いで取り組んできた」と言う。「勝ち癖を付けるため」と8月の1カ月で40試合を消化。広陵(広島)や東海大仰星(大阪)など甲子園経験のあるチームに胸を借り「試合でバタバタしなくなった」と手応えをつかんだ。
この日も、常に1つ先の塁を狙う「超攻撃的、怖い物知らずの野球」で12安打。近畿大会初出場初優勝で初の明治神宮大会を決め「近畿の代表として恥ずかしくない試合をしたい」と語った。