敦賀気比・岸本、完封星&タイムリー
「センバツ・3回戦、敦賀気比3‐0盛岡大付」(28日、甲子園)
右腕を力いっぱい振った。スコアボードに並べた9つの「0」。敦賀気比・岸本が2度目の甲子園で初めての完封劇を演じた。
「疲れは若干きています」。試合後、思わず本音を漏らした。147球を投げて完投した2回戦の京都翔英戦から中1日。1回戦から登場の敦賀気比は3試合すべて、岸本が先発だ。
トレーナーから念入りにマッサージを施されても「肩が張っていつもと違う感じがした」と言う通り、先頭打者に計6度出塁を許す苦しい投球。それでも九回は「狙っていた」と3つのアウトすべてを三振で奪った。「絶対抑えてやろうという気持ちが伝わってくる」と東監督もねぎらった。
打っても1点リードの五回、1死二塁で左越えの適時二塁打。自らを鼓舞するかのような一打に「あれで気持ちが楽になった」と笑った。
投打にわたる活躍で導いた春の8強は10年以来のチーム最高タイ。当時中学3年だった岸本は、アルプス席から快進撃を目の当たりにした。次は自分たちの番。「先輩たちを超えたい。決勝まで行けると信じています」。背番号1の表情は自信に満ちあふれていた。