敦賀気比が初の4強!山田1試合2発
「センバツ・準々決勝、敦賀気比9‐3聖光学院」(31日、甲子園)
準々決勝2試合を行い、敦賀気比の山田誠也内野手(3年)が大会最多タイの1試合2本塁打を放つなど11安打9得点で聖光学院に9‐3で快勝し、初のベスト4入りを果たした。準決勝は、昨春1回戦でも対戦した敦賀気比‐浦和学院の顔合わせとなった。準々決勝の残り2試合は1日に行う。
不振のトンネルを抜けた先には、1試合2発の大会タイ記録が待っていた。敦賀気比の3番・山田は三回の第2打席、2死二塁からバックスクリーン左へ特大2ラン。七回の第4打席は、先頭で左中間スタンド中段へ放り込んだ。続く4番・喜多にも本塁打が飛び出し、史上4度目の2者連続本塁打も記録した。
今大会は1、3回戦ともノーヒットで、通算10打数2安打と不振だった。エース・岸本の好投に支えられての進撃に、山田は「岸本に任せてばかりではいけない」と焦っていた。
毎晩、宿舎の駐車場で素振りを100~200回。前日の練習では東哲平監督(32)に「スイングが小さくなっている」とアドバイスされ、バットのトップを上げて構えたところ、手応えをつかんだ。山田は「試合前から打てる気がして、岸本に『今日は打てるよ』と言ったんです。楽な試合をさせてあげたかった」と責任感が実を結んだ。
1試合2本塁打は、PL学園・桑田真澄、清原和博、星稜・松井秀喜、大阪桐蔭・中田翔らに並ぶ大会最多タイ。「そんな打者ではないです」と照れたが、中学時代は「鯖江ボーイズ」で全国大会8強に入った。
父・義之さん(41)によると当時、大学のグラウンドを借りて練習した際、山田の本塁打が球場外にある橋の欄干を直撃したという。大学生でも届かない距離を、中学3年の山田は軽々とクリア。「城島選手(元阪神)にあこがれ、1日300スイングが日課だった」と義之さんは振り返る。
夏は95年に4強入りしているが、春は初。「次も打って、岸本に楽な試合をさせてあげたい」。優しきパワーヒッターが笑顔で約束した。