浦学悲願の初V!猛打爆発で17点圧勝

 「センバツ・決勝、浦和学院17‐1済美」(3日、甲子園)

 浦和学院が済美に17‐1で大勝し、創部35年目で春夏を通じて初優勝を飾った。浦和学院は18安打の猛攻で全員得点を挙げ、今大会3度目の2桁得点で圧勝した。埼玉県勢の優勝は1968年の大宮工以来、45年ぶり2度目。04年以来9年ぶり2度目の優勝を狙った済美は、MAX152キロ右腕の安楽智大投手(2年)が6回9失点。4戦連続で完投し、3連投となったエースは中盤に集中打を浴びて力尽きた。

 たくましさを増した18人が、名門の歴史に足りなかった優勝の2文字を書き込んだ。春夏通算20度目の聖地で成し遂げた日本一。決勝では2番目となる17得点の猛攻で頂点に立った浦和学院ナインは、歓喜の輪で人さし指を突き上げた。

 1点を追う五回に打線が爆発した。3連打で同点とすると、2死満塁から「まっすぐで勝負に来ると思っていた」という3番・山根が、139キロの直球を中前へはじき返す勝ち越し打。そこから5連打し、安楽を一気に攻略した。

 5点差を逆転された昨秋神宮大会の春江工戦が転機だった。大会後から、森士監督(48)は選手の自主性を促すために、あえて直接指導を約2カ月封印。3年生を中心に危機感が芽生えた。

 同時期に主将となった山根は「勝てたと思って油断した。あれから変に自信を持たなくなった」。春江工戦の記事を食堂やグラウンドなど、いたるところに張って教訓を刻み込んだ。少しでも気の緩みが見えれば選手間ミーティングを繰り返し、甘さを指摘し合った。

 冬場は1日2000スイングがノルマ。年明けの始動日前日の1月2日には、グラウンドで汗を流す3年生の姿があった。自分の役割を徹底できる集団となって乗り込み、5試合で3度の2桁得点。この日も八回に8点を追加するなど、最後まで油断はなく、山根は「何点あっても足りないといっていた。甲子園ですべて生かせたと思う」と胸を張った。

 「正直、手間のかかる子どもっぽい選手たち。だからこそ伸びしろがある。一緒にいて飽きない」。森監督は苦笑交じりにナインをたたえた。「全員が1人1人やってくれた結果。みんながキャプテンです」と山根。スター不在のチームが互いを高め合った先に、悲願の大旗があった。

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