桐光・松井スカウト44人を前に18K

 「高校野球関東大会・2回戦 桐光学園4‐3花咲徳栄」(19日、宇都宮清原)

 桐光学園が延長十二回サヨナラ勝ちで初戦を突破した。松井裕樹投手(3年)は18奪三振で3失点完投。栃木・宇都宮清原球場には、今秋ドラフトの目玉の視察にNPB12球団とメジャーを合わせて40人以上のスカウトが集結した。また、和歌山大会決勝では、箕島が2年ぶり11度目の優勝。2011年3月に死去した尾藤公元監督の長男で今年3月に就任した強監督(43)が、初采配の大会で初制覇した。

 異様な熱気が充満した。1万500人の観客が詰めかける中、ネット裏や内野席で松井の一挙手一投足に熱視線を送るスカウトの姿があった。その数は実に44人。しかも編成・スカウト部門のトップがズラリと並んだ。

 一身に注目を集めた左腕だが、この日は我慢の投球だった。最速145キロを記録したものの球威はいまひとつ。四回にはドラフト候補の花咲徳栄・若月に左翼フェンス直撃の二塁打を浴びると、暴投から先制点を献上。六回にも2失点で計6安打3失点。「調子がよくなかった。課題だった初めてのマウンドに合わなかった」と振り返った。

 それでもやはり“ドクターK”は格が違った。初回先頭からの2者連続三振を皮切りに、最大4者連続を含む18奪三振。スライダーやチェンジアップをていねいに低めに集め、168球の熱投で逆転勝利を呼び込んだ。

 もちろんスカウトの評価は変わらない。初めて視察したDeNAの高田GMは「今日がどうこうじゃなく、球も速いし制球もよく、いい変化球を持っている。現時点で彼が一番いい投手なのは間違いない」と太鼓判だ。

 この日、一番乗りのスカウトはなんと朝4時に球場到着。阪神は佐野統括スカウトら6人、ロッテは7人態勢と、まだまだ過熱しそうな“松井狂騒曲”。「こういう試合を勝ち切れたのはチームの強さ。粘り強く投げて、勝ちにつながってよかった」。安どの表情を浮かべた左腕が成長した分だけ、そのボルテージは上がっていく。

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