箕島、故尾藤監督長男が初陣で県大会V
「高校野球和歌山大会・決勝 箕島11‐7近大新宮」(19日、マツゲン有田)
関東大会で、桐光学園が延長十二回サヨナラ勝ちで初戦を突破した。松井裕樹投手(3年)は18奪三振で3失点完投。栃木・宇都宮清原球場には、今秋ドラフトの目玉の視察にNPB12球団とメジャーを合わせて40人以上のスカウトが集結した。また、和歌山大会決勝では、箕島が2年ぶり11度目の優勝。2011年3月に死去した尾藤公元監督の長男で今年3月に就任した強監督(43)が、初采配の大会で初制覇した。
喜びを爆発させるナインを、箕島・尾藤監督は笑顔で見守った。「選手たちと一緒に最後まで試合を楽しめた」。3月の就任後、監督として初めて挑んだ大会を「1戦1戦の積み重ね」と振り返った。
中西玲人主将(3年)が「気持ちの強い、熱い人」と話す若き将は、試合前「自分たちの野球をやり切って、近畿大会に行こう」と思いをぶつけ、選手を奮起させた。序盤の大量リードを中盤に追い付かれるなど厳しい展開だったが、ナインは勝利への執念を見せた。
公さんが死去した11年に続く春季和歌山大会制覇。「意識はない」と話すが、監督に就任した3月1日、ナインを連れて和歌山県湯浅町の竹林寺に眠る公さんの墓を訪れた。「甲子園へ行かせてと言っても『アカン』と言われそうなので、ケガなく夏の大会に入れるようお願いしました」と父に決意を示した。
公さんも、雨の中応援に駆けつけたOBも、期待するのは09年春以降遠ざかっている聖地だろう。25日からは春季近畿地区大会(奈良・佐藤薬品スタジアム)に出場する。「近畿大会でも夏への課題が見つかると思う。いい経験をさせてもらいたい」。“尾藤箕島”が大きな一歩を踏み出した。