“松井シフト”で開会式!パニック防止

 第95回全国高校野球選手権大会の地方大会は7日、17大会で試合が行われ、東東京では昨夏代表の成立学園が危なげなく1回戦を突破した。

 群馬では昨春の選抜大会で4強入りした高崎健康福祉大高崎が初戦の2回戦で快勝。水戸商(茨城)、東邦(愛知)、熊本工なども順当に勝ち上がったが、2011年の選抜大会で準優勝した九州国際大付(福岡)は初戦で姿を消した。

 神奈川大会が開幕し、横浜スタジアムで開会式と1回戦1試合が行われた。今秋ドラフトの目玉、松井裕樹投手(3年)を擁する昨年優勝校の桐光学園は、球場入り、退出ともに他チームとは別の導線で開会式に参加。パニックを未然に防ごうと、異例の“松井シフト”が敷かれた。

 神奈川大会には、全国最多の190チームが出場。スペースの関係上、選手は入場行進までの間、球場のすぐ外で待機する。松井目当てのファンが殺到する事態が起こらないとも限らない。そのため、桐光学園だけはひと足早く球場内で待機。開会式後も別出口から球場を離れた。県高野連関係者は「安全面を配慮しました」と説明した。

 開会式には、1万8千観衆が詰めかけた。最も客席が沸いたのは、やはり桐光学園の登場時。歓声の中、松井は笑顔を見せながら、元気に行進した。昨秋県大会では松井に投げ勝った平塚学園の右腕・熊谷が「これまで1勝1敗。この夏で決着をつけたい」と話すなど、ライバルからの視線も熱い。注目を一身に浴びて、主役の夏が幕を開けた。

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