箕島3年ぶり8強!無安打中西が先制打

 「高校野球・和歌山大会3回戦、和歌山商1‐4箕島」(22日、紀三井寺)

 和歌山では2011年に死去した尾藤公元監督の長男、尾藤強監督(43)率いる箕島が、和歌山商を下して3年ぶりの8強入り。父が同校野球部OBで公さんの教え子だった主将の中西玲人内野手(3年)が、五回の先制打など2安打1打点の活躍を見せた。準々決勝は、昨年準優勝の那賀と対戦する。

 肩の力がスッと抜けた。箕島は0‐0の五回、2死から連打で一、二塁の好機を築くと、3番・中西に打席が巡った。暑さとは違う汗がにじむ。その時ベンチから声をかけた尾藤監督の笑顔に、主将の表情が変わった。2ボールから3球目、好球必打ではじき返した打球は、先制の中前適時打となった。続く4番・山下も2点適時三塁打。4連打で3点を奪った。

 初戦で無安打、2失策。この日も遊撃守備で1失策し、そこまで無安打だった。責任を感じていた中西は「監督が結果は気にするなと言ってくれて、その笑顔で気が楽になりました」と語った。七回にも追加点につなげる二塁打。尾藤監督は「もともと力のある子なんで心配していなかった」と信頼を口にした。

 スタンドで応援した中西の父、英人さん(49)は同校野球部OB。恩師の公さんについて「練習はすごい緊張感で笑顔はなかったけど、試合でスマイルを見るとホッとした。試合では監督に喜んでもらいたい一心だった」と振り返る。父から父に、息子から息子に、勇気を与えた“尾藤スマイル”。「縁を感じます」と尾藤監督と英人さんは同じ思いを抱いている。

 敬意を込めて監督を「強さん」と呼ぶ中西は「甲子園しか見えていない。新しい伝統をつくっていく」と言い切った。新監督とともに、必ず聖地にたどり着くつもりだ。

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