箕島・尾藤監督、父との思い出の聖地に
「全国高校野球」(8日開幕、甲子園)
甲子園練習が2日、兵庫県西宮市の同球場でスタートした。29年ぶりの箕島(和歌山)が49校のトップを切って登場。2011年3月に亡くなった尾藤公元監督の長男、強監督(44)は、親子二代で聖地を踏んだ。連覇を目指す大阪桐蔭(大阪)や、明徳義塾(高知)、鳴門(徳島)などもグラウンドの感触を確かめた。
「MINOSHIMA」の校名が入ったクリーム色のユニホームが甲子園に帰ってきた。尾藤強監督は3年前、亡き父で元監督・公さんの車いすを押しながら入場して以来の甲子園だ。2010年9月23日、星稜(石川)との「星稜高校VS箕島高校延長18回記念OB戦 最高試合~最終章~」でプレーしたグラウンドに立ち、今度は父と同じ指揮官という立場でノックを打った。
「ベンチにつながる階段を上がった時、父とここを出てきたな、という感慨がありました」と球場を見渡した。「来る前は緊張して、ノックを打てるんかなと思っていたが、ここではのびのびできた」と振り返った。
甲子園出場を決めた後、地方大会の結果を墓前に報告した。「今日のことは報告する予定はなかったが、この雰囲気を感じたらまた(墓前に)行こうかと思います」。今大会は1979年夏に延長十八回を戦った星稜(石川)も出場。母・さとみさんは「星稜と対戦しそうな気がする」と話しているという。尾藤監督は「僕は対戦したくないのが本心。だって(星稜は)強いでしょ」と、父譲りのスマイルをみせた。