池田・名西がノーヒットノーラン達成!
「高校野球秋季徳島大会・3位決定戦、池田6-0海部」(6日、オロナミンC)
3位決定戦は、池田の先発・名西宥人投手(2年)がノーヒットノーランを達成。6‐0で海部を下し、2年連続17度目の四国大会出場を決めた。決勝戦は、生光学園が最大7点差をひっくり返す大逆転で、8‐7で小松島に延長十一回サヨナラ勝ちし、18年ぶり2度目の優勝を飾った。各県の上位3校が出場して愛媛で開催される秋季四国大会は、19日に開幕する。
四国切符をかけた大一番で、背番号「10」がノーヒットノーランをやってのけた。最後まで球威は衰えず、緊張感いっぱいの九回も3人でピシャリ。高校入学後では初の快挙達成に、池田・名西は「九回は意識しながら投げた。自分のピッチングができてうれしい」と満面に笑みを浮かべた。
来春センバツ出場の夢に望みをつなぐため、スリークオーターの右腕は初回から飛ばした。最速138キロの直球に加え、スライダーは切れ味抜群。3個の四球を与えたが、1本もヒットを許さず12個の三振を奪った。
旧チームでマウンドを経験した4人の投手が残る今年の池田。その中で名西は一番球が速いが、四球連発で崩れることが多く、エースナンバーを渡辺に譲った。
課題の制球力をつけるため、今大会前から「考え方を変えた」という。「8割くらいの力」で投げるように意識することでコントロールが安定。腕の振りもよくなり、球威も増した。岡田康志監督も「以前は自滅する投手だったが、落ち着いて投げられるようになった」と成長を認める。
昨秋は秋季四国大会で26年ぶりの1勝を挙げ、池田復活の第一歩を印象づけた。ただ準々決勝で済美に3‐4で惜敗。先発した名西は怪物右腕・安楽との投げ合いに敗れ、聖地切符を手にすることはできなかった。
1992年夏から遠ざかる甲子園出場に向け、3位校として四国の舞台に挑む。「昨年は甲子園に行くことができず悔しかった。今年は絶対に行きたい」。快挙の喜びに少しだけ浸ったあと、背番号「10」は次の戦いへ視線を向けた。