池田ナイン“聖地巡礼”蔦監督に報告

 第86回選抜高校野球大会(3月21日から12日間、甲子園)に出場が決まった池田(徳島)が25日、徳島県三好市内で、2001年4月に亡くなった蔦文也元監督の墓参りを行い、22年ぶりの甲子園出場決定を報告した。

 学校から歩いて約20分。町を見下ろす丘の上。池田ナインは墓前に並び、静かに手を合わせた。「甲子園で精いっぱい頑張ります」。三宅駿主将(2年)は心の中で誓った。

 帰りに蔦元監督の自宅前を通ると、玄関が開いた。出てきたのは妻・キミ子さん(90)。明るい声で「甲子園に行ったら1回は勝ちなさいよ~」と激励を受けた。

 自宅裏に建物が残る「蔦寮」も見学した。全盛期の選手たちの生活ぶりに思いを巡らせながら、学校グラウンドに戻った。

 近くにありながら、ほとんどの選手がこれまで訪れる機会がなく「お墓参りも、蔦監督の奥さんと話すのも、蔦寮を見るのも初めて。伝統を感じました」と三宅主将は話した。

 チームそろって初めて、池田野球部の“聖地”を巡った1時間。「蔦先生抜きで池田高校は語れない。今の選手たちも伝えていってほしい」と岡田監督。肌で感じた伝統の力を、22年ぶりの聖地で発揮する。

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