新庄初勝利へ左肩負傷の中林「出る」
「選抜高校野球開会式リハーサル」(20日、甲子園)
第86回選抜高校野球大会(甲子園)が21日、開幕する。20日は雨天のためスタンドなどに移動して開会式のリハーサルが行われた。また、左肩胛(けんこう)骨を負傷している新庄・中林航輝主将(3年)が初戦の東海大三(長野・第5日第1試合)に出場することが判明。中林は、開会式で選手宣誓も務める。
力強く振れたバットに手応えを感じだ。4日ぶりのマシン打撃で鋭い打球を放った。中林主将に笑顔が戻る。「痛みはない?はい」。シンプルで力強い言葉に、安堵(あんど)感と自信がみなぎっていた。
この日は奈良県生駒市内で練習した。「まだテーピングを巻いているけど大丈夫。試合には出られる」
甲子園入りする前日の16日。広島工との練習試合で投球を左肩胛骨に受けた。直前の死球に「終わったと思った」。夢舞台に立てない‐。最悪の事態が頭をよぎった。
死球直後からアイシングや超音波治療など、早期回復へ向けできることはやってきた。18日の甲子園練習ではサポート役に徹したが、19日に素振りを再開。この日は負傷後初めてマシン打撃。遊撃でノックを受け一塁へ正確な送球もみせた。「大丈夫」と、約2時間半、全メニューをこなした。1番・遊撃の右打者は攻守の要。精神的支柱でもある。「彼が出る、出ないでチームが変わる。試合には出られるでしょう」と迫田守昭監督(68)は、回復に目を細めた。
第5日第1試合で東海大三と対戦する。「自分たちの野球をして勝ちたい。選手を引っ張っていく」。中林主将がプレーで、声で初出場初勝利に導く。