報徳・岸田、捕手→無失点救援も惜敗
「選抜高校野球・1回戦、沖縄尚学1‐0報徳学園」(23日、甲子園)
沖縄尚学が報徳学園(兵庫)を1‐0で下した。センバツ通算30勝目を目指した報徳学園は捕手・岸田行倫(3年)をリリーフさせる大胆な起用で勝機をうかがったが、2011年、昨年に続き初戦敗退となった。
岸田のリベンジは、不発に終わった。しかし打席では沖縄尚学・山城に必死で食らいつき、守ってはマスク越しに先発・中村を全身でリード。中盤からはマウンドで、沖尚打線にこん身のボールを投げ込み続けた。
完封負け。左足を高く上げる山城の独特のフォームに「タイミングが取りづらかった」と振り返る一方、初回1死一、三塁での一邪飛を「4番として、申し訳ない」と話した。
五回表、2死一、三塁、打者は5番・上原康。永田監督は勝負どころと踏んで、投手交代を決断。岸田は防具を外し、そのままマウンドへ。
このピンチはチェンジアップを3球続けて空振り三振でしのぎきった。投手を始めて1年にも満たない、しかも「最近覚えたばかり」というチェンジアップを決め球に使える能力、そして「絶対勝ちたい」という気持ちで九回まで1安打6三振無失点の好投だ。
それでも打線が沈黙。自らも六回1死一塁で放った右翼線への大飛球を好捕されるなど、無安打に終わった。
昨春はショートとして自身の横をすり抜けた打球が決勝点となる悔しさを味わった。その悔しさを晴らせなかったこの春。「すべてでレベルアップして帰ってきたい」と岸田は夏のラストチャンスにすべてをぶつける。