履正社・永谷の救援がサヨナラ呼んだ!
「選抜高校野球・2回戦、履正社7-6駒大苫小牧」(27日、甲子園)
1回戦1試合と2回戦2試合が行われた。履正社(大阪)は2‐6から、2番手・永谷暢章投手(2年)の好投で流れを呼び込み、駒大苫小牧(北海道)に逆転サヨナラ勝ち。3年ぶりの8強を決めた。福知山成美は神村学園を投打に圧倒し初のベスト8。1回戦最後の試合となった第1試合は、八戸学院光星が優勝候補・横浜を下した。
たった1球でよかった。先発・溝田が一挙5点を失った三回2死三塁。同じ2年生の親友でありライバルの永谷は、マウンドで溝田からボールと、「雰囲気を変えてくれ」の言葉をもらってマウンドに立った。
「任せてくれ!」と応じて、初球。144キロの直球に駒大苫小牧の好打者・酒井のバットは空を切った。永谷の目指す「分かっていても打てない直球」。このとんでもないボールが、敵の恐怖心をあおり、自軍に勇気をもたらした。酒井を三振で切り抜けると、四回も楽々三者凡退。五回は圧巻の3連続三振で、自己最速タイの147キロもマークした。
“いい練習”ができていた。16日の練習試合(対日南学園)。先発で初回に3失点。平べったい気持ちで試合に入ったことを悔やんだ。「甲子園では、命取りです」。その反省からブルペンで気持ちをピークに持っていった。さらに1回戦は出番なし。岡田監督も「たまっていたものを爆発させましたね」と6回1/3、1安打、10奪三振、無失点で逆転サヨナラ勝ちを呼び込んだ剛腕に脱帽だ。
目標は「マー君」と即答する。その田中将大の後輩たちをきりきり舞いさせた永谷。そしてこれでは終われない溝田。2人の2年生が履正社をまだまだ引っ張る。