智弁学園・岡本ドラフト候補対決に散る
「選抜高校野球・2回戦、佐野日大5‐4智弁学園」(28日、甲子園)
2回戦3試合が行われ、ともにプロ注目の最速145キロ左腕、佐野日大・田嶋大樹投手(3年)と1回戦で2本塁打の智弁学園・岡本和真内野手(3年)の対決は、佐野日大が5‐4で延長戦を制し、初のベスト8入りを果たした。
高校通算59本塁打を誇る強打者は、敗戦をマウンドで迎えた。1回戦で2本塁打と度肝を抜いた智弁学園・岡本だったが、この日は佐野日大・田嶋の“巧投”の前に3打席目まで無安打。「新チームになって初めて」という2三振も喫した。
それでも八回1死一塁、痛烈な打球で遊撃手のグラブをはじく初安打から一時は同点に持ち込んだ。
岡本はさらに、九回裏から3番手投手としてマウンドに上がり、延長十回、無死満塁から連続三振で望みをつないだものの、最後は小泉に三遊間を割られ、ゲームセット。
少し目を充血させて引き揚げてきた岡本は「何もチームのためにできず悔しい」と声を振り絞る。周囲の期待は豪快な打撃だが、本人は延長十回、先頭として死球出塁を「うれしかった」という。
徹底したフォア・ザ・チームの哲学に根ざしたこの悔しさ。そして田嶋との勝負を「楽しかった。プラスにしたい」という姿勢は夏への大きな糧となる。