履正社・溝田&永谷2年生リレー力尽く
「選抜高校野球・決勝、龍谷大平安6‐2履正社」(2日、甲子園)
履正社(大阪)は龍谷大平安(京都)に敗れ、初優勝はならなかった。再三、好機をつくりながら決め手を欠き12残塁。攻守に細かなミスもあり、4試合連続となる溝田悠人投手から永谷暢章投手への2年生リレーも実らなかった。
夢を打ち砕かれる打球が右翼席で弾む。履正社の剛腕・永谷がついに力尽きた。七回から救援したが、2点ビハインドの九回にダメ押し2ランを被弾。「あの場面で打ち取れなかったのが情けない」。悲願の初優勝を逃し、肩を落とした。
基本を確実にこなす履正社野球ができなかった。三回無死一、三塁では、4番・中山のセーフティースクイズが投前に転がり、三走は突入できず。三回の守備でも送球が乱れて併殺を取れず、次打者に適時打を許していた。送りバント失敗もあり、岡田龍生監督(52)は「力負け。ミスが多すぎた」と嘆いた。
フル回転してきた2年生右腕コンビも限界だった。2回戦で最速147キロを計測した永谷は、実は右肘痛を抱えていた。大会前の違和感から、試合ごとに痛みが増大。この日は初めて痛み止めを服用していた。溝田はフォームのバランスを最後まで修正できず。「悔いの残る大会だった」と唇をかんだ。
八回1死満塁の好機に、空振り三振に倒れた永谷は「打てなくて迷惑をかけたのに、投球でも踏ん張れなかった」と自分を責めたが、主将の金岡は「3年生が点を取ってやれば楽に投げられた。ミスをなくしていきたい」とかばった。頂点までのあと一歩を埋める日々が始まる。