鳴門渦潮・多田 “驚肩”にプロ注目

 春季四国地区高校野球大会(3~5日、高知)で準優勝した鳴門渦潮(徳島)の多田大輔捕手(3年)が、強肩でプロのスカウトから注目を浴びている。189センチ、90キロの堂々たる体格。二塁送球タイムは超高校級の1・81秒。まだ粗削りながら、4番打者としてパワフルな打撃も魅力だ。

 189センチの長身から矢のような送球が二塁へ飛ぶ。その強肩で何度もチームのピンチを救ってきた。鳴門渦潮の大型捕手・多田は「肩は自分のアピールポイント。自信があります」と胸を張った。

 二塁送球タイムは最速1・81秒。プロでも2秒を切れば合格とされる中、高校生としては破格の速さだ。体は大きいが送球動作は俊敏。冬場は股関節の柔軟性アップに努め、捕球時の動きも対応力が増した。

 今年2月にチーム全員で、西武の高知・春野キャンプを見学した。そこで目を奪われたのが、大阪桐蔭からドラフト1位で入団したルーキー・森友哉のプレーだった。

 「単に肩が強いだけではなく、タッチしやすいところにピタリと投げていた。18歳とは思えないほど正確な送球でした」。それ以来、森が目標の捕手になった。

 高校通算15本塁打のパワフルな打撃も魅力だ。四国大会決勝ではプロ注目右腕の明徳義塾・岸潤一郎投手(3年)と対戦し、4打数1安打2三振。タイムリーを放ったが、鋭いスライダーに空振りも目立った。「変化球への対応とか課題は多い」と4番打者として成長を目指す。

 四国の頂点は逃したが、夏に向けて手応えも残った。「目標はもちろん甲子園。最後のチャンスですから、絶対出たい」と多田。自らの肩で、チームをあこがれの聖地に導いてみせる。

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