東海大相模140キロカルテットでVへ
第96回全国高校野球選手権神奈川大会の抽選会が7日、横浜市内で行われた。各校は王者・横浜の打倒に虎視眈々(たんたん)。今春県4強の東海大相模は、青島凌也投手(3年)ら投手陣に“140キロカルテット”を擁する。横浜隼人は、今秋ドラフト候補の宗佑磨内野手(3年)がチームをけん引。春県4強の慶応は、主砲・名幸大成外野手(3年)がカギを握る。
全国でも、まずお目にかかれない陣容だ。140キロ台の投手4人をそろえ、東海大相模が4年ぶりVに挑む。
背番号1は145キロ右腕・青島。キレのある直球に、最近では少ない大きなカーブが武器。「制球の良さは負けない」との言葉通り、安定感は一番だ。
球の威力なら、191センチ右腕・佐藤雄偉知投手(3年)。148キロの直球に鋭いフォークは、ハマれば手がつけられない。ドラフト候補として、スカウト陣からの視線は熱い。
吉田凌投手(2年)は、4人で最速の149キロを誇る右腕。昨夏は準決勝の横浜戦で先発もコールド負け。「悔しい思いをした」と、磨いたスライダーは、空振りを奪える決め球になった。
ただ1人の左腕は、小笠原慎之介投手(2年)。今春は左ヒジ痛で出遅れたが回復。144キロの直球とツーシームに「それがないといいところがない」という内角攻めで、見逃し三振を量産する。
4人は普段から仲がいい。変化球なども教え合う。青島は「みんな一つ、自分の持ち味がある」と、2年生2人も含めて高め合う存在だ。吉田が「夏は自分たちもやっていかないと」と話せば、小笠原も「自分の色を出せれば。打者1人でもいい。勝つことが最優先」と決意を語った。
昨年は夏秋とも準決勝で横浜に敗れただけに、佐藤は「倒さなきゃいけない存在。最後の夏は絶対、自分たちが甲子園に行きたい」と力を込める。横浜のセンバツ出場決定後には、例年にない走り込み期間を設けて、体をいじめ抜いた。4人一丸となって壁をぶち破り、今度こそ聖地への扉を開く。