4チーム連合で夏の高知を盛り上げる
全国高校野球選手権高知大会(7月19日開幕)に、連合チーム「高岡・窪川・西土佐・城山」が出場する。部員不足に悩む4校が合体した即席チームだが、春の県大会では3勝を挙げて4強入りする大健闘を見せた。週末しか合同練習ができないハンディを抱えながらも、甲子園出場を目標に厳しいトレーニングを積み重ねている。
夏の高知は連合チームに注目だ。部員は高岡と中村高西土佐分校がそれぞれ5人、窪川と城山が4人。単独では試合ができない4校の集まりだが、18人が一つになると驚きのパワーを発揮する。
春の県大会。1回戦でサヨナラ勝ちした4校連合は、続く2、3回戦もしぶとく1点差で勝利。エース左腕・松浦友人投手(中村高西土佐分校3年)を軸に、粘り強い野球で4強入りを果たした。
甲子園常連の高知と戦った準決勝は0‐10でコールド負けした。松浦は「ベスト4は自信になったけど、自分たちはへたくそなんだと思い知らされた」と悔しそうに振り返る。
昨夏は「窪川・西土佐」の2校連合で出場。秋の大会で高岡が参加し、今春には城山が加わった。5月中旬、春と同じ4校連合での夏の大会出場が決まると「甲子園を目指せる喜びと感謝でいっぱいになった」と山本寛治主将(高岡3年)は目を輝かせる。
練習環境は厳しい。平日は4校がバラバラでトレーニングを行い、合同練習ができるのは週末だけだ。4校の真ん中に位置する窪川が練習場となるが、一番近い高岡で約40キロ、最も遠い城山だと約100キロの距離がある。車で送り迎えする指導者や父兄らの負担も大きい。
それだけに合同練習は貴重だ。「弱者が勝つには細かいプレーが大事」と語る高橋司監督(高岡)の指導の下、内外野の連係プレーや走塁など普段はできない実戦的な練習に時間を費やす。
城山の4人は全員が3年生。夏の大会が終われば引退し、野球部は休部になる可能性が高いという。片岡崇也外野手(城山3年)は「最後になるかもしれないから結果を残したい」と力を込めた。
エース・松浦が8日の練習試合でノーヒットノーランを記録するなど、猛練習の成果は確実に出ている。大会には4校それぞれのユニホームを着て出場するが「自分たちは一つにまとまっている」と山本主将。18人が一丸で厳しい夏のトーナメントを突き進む。