広商恩返しの夏…OBが屋内練習場寄贈
全国高校野球選手権広島大会は7月11日に開幕する。春21回、夏22回の甲子園出場を誇る伝統校の広島商は、4年連続でシード権を逃してきた屈辱をバネに、ノーシードから23回目の夏の甲子園出場を目指す。昨年11月にはOBが資金を捻出して待望の屋内練習場が完成。卒業生の期待に応えるべく、夏の本番に向けてチーム一丸で汗を流している。
昨年11月1日、広島商の創立記念日に合わせて同校同窓会協力のもと、屋内練習場が完成した。マウンドや打撃マシン、用具類など必要なものが完備され、練習に打ち込める場所がさらに増えた。他部活動との兼ね合いもあるが、雨天時には有効に活用してきた。
池田裕主将(3年)は「自分たちのために建てていただき、同窓会ならびにOBの方々には感謝してます。野球部一同、試合でしっかり勝って恩返しをしたい」と、夏本番に向けて気を引き締める。
昨夏、開会式直後の開幕カード、崇徳戦で延長の末サヨナラ負けを喫した。「負けてしまえば力がなかったということ」と、檜山忠監督(39)は振り返る。昨夏の戦いがあったからこそ広商野球の原点である“1点を奪う野球”を今年も再確認し、取り組んできた。
屋内練習場ができてはや半年余り。勝ち上がる準備は整った。「周りの方々から期待をしてもらっている。一戦一戦やれることをやっていく」と檜山監督。池田主将は「どこよりも多く練習してきた。チームはまとまっている。きっちり守ってチャンスをつかみ取る」と、10年ぶりの頂点を視野に入れた。
ナインが汗にまみれ、泥くさく戦い続ける先に、栄光の甲子園が待っている。