広島新庄・山岡、初の夏聖地でリベンジ
第96回全国高校野球選手権広島大会は11日に開幕する。夏の甲子園初出場を目指す広島新庄は、最速144キロ左腕の山岡就也投手(3年)がチームを引っ張る。初出場した今春のセンバツは2回戦で敗退。悔しさを味わった。甲子園のリベンジは、甲子園で‐。その左腕で再び聖地への切符をつかんでみせる。
はっきりと口にした。山岡が言葉に力を込める。「春、甲子園のマウンドに立った。夏にもう一度あそこに立ちたいと強く思った」。憧れ続けた夢舞台が、目標へと変わっていた。
手応えをつかみ、悔しさも味わった初めての聖地だった。初戦は東海大三を2安打13奪三振の力投で完封。初勝利に貢献した。2回戦の桐生第一戦は死闘だった。延長十五回を戦い1‐1の引き分け再試合。2試合連続完投で計23回を投げ抜いたが敗れた。
大会後はウエートトレーニングで筋力アップに成功した。体重はセンバツ前の78キロと変わりはないが下半身が一回り大きくなった。
下半身の安定は制球力の向上につながった。四球から崩れることが課題だったが「それはなくなってきた」。最速144キロの直球やウイニングショットのスライダーを、これまで以上に自在に操れ、試合を支配できるようになった。
春季広島大会は体調不良の影響もあり、広陵に敗れシード権を逃した。1回戦からの登場に「自分が全試合投げる」と意気込んだ。「夏はやっぱり違う。春の自分とは違うところを見せたいし、必ず行きたい」。夏、初めての甲子園出場を目指す。今大会ナンバーワン左腕に死角はない。