丸亀城西、強固3本柱で9年ぶり聖地へ
第96回全国高校野球選手権香川大会は11日に開幕する。本命不在と言われる同大会で、丸亀城西が9年ぶりの甲子園出場を狙っている。5月に行われた強化試合では、今春センバツ優勝校・龍谷大平安に5‐4でサヨナラ勝ちした。タイプが違う3人の投手陣も安定しており、経験豊富な名将・橋野純監督(66)は「チャンスはある」と手応え十分だ。
香川のライバルたちに大きなインパクトを与える勝利だった。
5月17日にレクザムスタジアムで行われた強化試合。丸亀城西は、センバツ覇者・龍谷大平安を5‐4のサヨナラで下した。2点ビハインドの八回に7番・河本晃二郎外野手(3年)が同点2ラン。最後は九回2死二塁から4番・岩崎智輝内野手(3年)がサヨナラ打を放った。
「向かっていく姿勢を忘れるな」。試合前の橋野監督の言葉をナインは粘り強く実践した。「相手は甲子園優勝校。勝てて自信になった」と同点弾の河本は胸を張る。
劇的な勝利を呼び込んだのは3人の投手陣だ。身長164センチと小柄な宇野晃大投手(3年)、スプリットを武器に急成長した土田侑希投手(3年)、最速144キロの大型右腕・西川雄大投手(3年)。タイプが異なる“3本柱”の継投で、龍谷大平安の強力打線を4点に抑えた。
2005年夏以来、9年ぶりの甲子園出場へ「今年は投手が3人いる。チャンスはある」と橋野監督は手応えを口にする。95年春には観音寺中央を率いて全国制覇を経験。継投のタイミングなど、百戦錬磨の名将の采配に注目だ。
昨夏は英明に1‐8で敗れ、準々決勝で姿を消した。その翌日、新チームのメンバーは宮本健太主将(3年)を中心に話し合い、1年間の目標を「甲子園で校歌を歌う」に決めた。
背番号1の土田は「絶対に甲子園に行きたい」と力を込める。宇野は「3人で刺激し合って投げたい」。西川は「3人とも力は変わらない。投手層は厚い」。丸亀商時代を含め甲子園出場13回。強固な3本柱を誇る名門が、5月の番狂わせでつかんだ自信を武器に復活を狙う。