浦学・小島 15奪三振で初戦突破
「高校野球・埼玉大会2回戦、浦和学院3‐1狭山経済」(12日、市営大宮)
埼玉大会では、昨春センバツ優勝の浦和学院が苦しみながらも初戦突破。最速143キロのセンバツV左腕・小島和哉投手(3年)が15奪三振で1失点完投し、チームを勝利に導いた。神奈川、愛知、大阪など16大会が新たに開幕。沖縄は4季連続出場を目指す沖縄尚学が快勝し、8強が出そろった。
正真正銘の大黒柱に成長して、小島が夏の舞台に帰ってきた。独特の緊張感が充満する初戦で15奪三振。「三振は意識していなかった」。淡々と話す姿が頼もしかった。
チーム全体に硬さがあり、相手の技巧派左腕に五回まで無安打。0‐0は七回まで続いた。だが、重苦しいムードの中でも、エースは顔色ひとつ変えず。初回と七回の2死一、二塁は、いずれも直球で三振を奪って切り抜けた。打線は八回に、1番・臺(だい)の先制適時打などで3得点。これで十分だった。
全国屈指の破壊力だった昨年とは打線は一変したが、小島は「打てなくても、0点で抑えれば負けない」と言い切った。この日は「調子が悪かった」という中で、主審の傾向を敏感に察知。持ち味の内角攻めより、広く感じた外角を多投するしたたかさを見せた。
昨年からの変化を、森士監督(50)は「『打ってくれなくても抑えるんだ』という覚悟が違う」と話す。新チーム結成当初は一時、主将も経験。自分が担うべき役割は理解している。「ここからは技術がいきなり上がるわけじゃない。体調にしっかり気を使って、状態を上げていきたい」。昨夏以来自身4度目の聖地へ、左腕はどこまでも冷静沈着だ。