生光サヨナラ!スーパー1年生が劇的打
「高校野球・徳島大会1回戦、生光学園6‐5板野」(13日、オロナミンC)
徳島大会は1回戦3試合が行われ、昨秋の県大会覇者で、優勝候補の一角に挙げられる生光学園が板野に逆転サヨナラ勝ち。苦しみながらも初戦を突破した。1年生の3番・武岡大聖外野手が劇的なサヨナラ打を放った。富岡西は城ノ内に七回コールド勝ち。城北は脇町に六回コールド勝ちした。
世界を知るスーパー1年生がチームを救った。1点を追う九回1死満塁。「絶対に決めてやる」と心に誓い打席に立った3番・武岡が、初球の内角高めを思い切り振り抜いた。少し詰まった打球は左翼線に落ち、2者が生還。劇的なサヨナラ勝ちに、生光学園ナインは抱き合って喜んだ。
優勝候補に挙げられる強豪にとっては苦しい初戦だった。4点を先行しながら終盤に投手陣がつかまり、九回に逆転を許すまさかの展開。瀬戸際に追い込まれていただけに、山北栄治監督(52)は「1年生だけど、ああいう場面で動じない。よく打った」と武岡の勝負強さをたたえた。
ヤングリーグ・徳島ホークスでプレーしていた中学1年のとき、武岡は日本代表に選ばれ、米国で開催された「カル・リプケン12歳以下世界少年野球大会」に出場した経験を持つ。メキシコ戦で逆転2ランを放つなど、3番打者としてチームの優勝に大きく貢献。MVPにも輝いた。
176センチ、82キロのガッチリした体格で、目標の打者は「巨人の阿部さん」。ここぞという場面で頼りになる左のスラッガーだ。
全国で唯一、私立校が甲子園に出ていない徳島県。生光学園はここ5年間で準優勝1回、ベスト4が2回と好成績を残すが、あと一歩で聖地に届かない。「初戦でいい結果を出せてよかった。甲子園に出たい」と武岡。はにかんで笑う1年生が“私立初”を狙うチームを勢いづけた。