拓大紅陵が快勝発進!小枝監督最後の夏
「高校野球・千葉大会2回戦、拓大紅陵3‐1銚子商」(13日、ゼットエーボールパーク)
千葉大会では、92年夏の準優勝など春夏9度の甲子園出場を誇る拓大紅陵が、銚子商との名門対決を制した。今夏限りで勇退する小枝守監督(62)の集大成となる初戦を快勝で飾った。沖縄では4季連続出場を狙う沖縄尚学が準決勝に進出したが、春夏連続出場を目指した美里工は浦添商に敗れた。
勝利の瞬間、小枝監督はほほえんだ。95、05年の決勝で敗れた相手を破り「選手がよくやった。途中で『ナイスゲームだな』と言ってあげたんです」と目尻を下げた。
三回の先制点は、1死二塁から3番・笠原昇太外野手(3年)の一塁強襲内野安打。ボールが中堅方向にはじかれた瞬間、二走が判断よく本塁を陥れた。「監督からは、いつも『0・1秒で、人は70センチ走れる』と言われている。あれはナイス三塁コーチャーです」と笠原。相手の体勢やボールとの距離など、状況を瞬時に理解してプレーする“小枝野球”の象徴だった。
指揮官にとっては、拓大紅陵を率いて33度目、そして最後の夏。それでも選手には「この大会も変わらない。同じ方向を向いて、一つの塁、一つの得点が取れればいいな」と言って送り出した。そんな願い通り、初戦で教えをしっかり実践したナインに「だいぶ野球が分かってきたのかな」と満足げだ。12年ぶりの夏切符へ、名将は「まだまだ先は長い」と前を見据えた。