元G吉村Jr.3安打3打点で強豪撃破
「高校野球・埼玉大会3回戦、立教新座8‐1聖望学園」(16日、県営大宮)
ノーシードの立教新座が春夏4度甲子園に出場した聖望学園にコールド勝ちした。元巨人外野手・吉村禎章氏(51)の次男、吉村俊捕手(3年)が、3安打3打点と大活躍した。
ベース寄りに立った吉村が、変化球を思い切り引っ張った。四回1死満塁から左翼線への2点適時打。二回は右中間適時打、六回も中前打と、主役を張った主将は「打撃は得意じゃない。出来過ぎ」と謙虚に喜んだ。
父と違い、右打ちで小柄な捕手。だが、ガッツはそっくりだ。1年秋に腰を手術。2年秋にも右肘を痛めると、今年3月末の練習試合で頭部死球を受けて1週間入院。しばらく言語障害が残るほどだった。左ひざの大けがから復活した父同様、負傷を乗り越え、今夏ついにレギュラーをつかんだ。
12日の初戦で公式戦初出場初安打。この日は初打点。ベース寄りに立てば、死球の恐怖がよぎっても不思議はないが「当たってでも塁に出なきゃ」と笑う。そんな愛息の姿に、観戦した禎章氏も「これまで満足にできなかった分、最後の夏にかける気持ちが強いと思う」と目を細めた。
Aシードを撃破し「自信になる。1勝以上の意味があると思う」と吉村。夢の聖地を目指し、不屈の男がチームを引っ張る。