広島工・向井自己最多14K快投劇

 「高校野球・広島大会2回戦、広島工9-2庄原格致」(17日、東広島運動公園)

 2回戦17試合が行われた。春季広島大会準優勝の広島工は、庄原格致に八回コールド勝ちした。最速142キロで今大会ナンバー1右腕の呼び声が高い向井翔也投手(3年)は、自己最多の14三振を奪い、8回2失点と好投した。2年ぶりの甲子園を目指し、エースが上々の船出だ。

 最後の打者も三振で斬った。向井が充実感いっぱいに拳を握る。「持ち味を出せた」。自己最多の14奪三振で8回2失点。快投劇に表情がほろこんだ。

 二回まで三振はわずか2個。三回からギアを上げた。「チェンジアップを解禁した」。緩急を駆使し、四回に振り逃げを含め1回4奪三振。五回以降も4者連続三振など勢いは止まらない。「三振をたくさんとってリズムをつくるタイプ」。先発全員から三振を奪い自己最多をマークした。

 “脱トルネード”が実を結んだ。昨夏は「体をひねっていたことで、キャッチャーミットから目線が切れていた」。この冬にフォームを修正。ひねりを小さくし目線を一定にしたことで制球力に磨きがかかった。最速142キロの直球と変化球を「思ったコースに投げられる」。意のままに操れるようになった。

 2年ぶりの夏、甲子園へ向け「自分が引っ張っていく」と力を込めた。憧れ続けるその聖地。その右腕で、必ず導いてみせる。

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