拓大紅陵・小枝監督最後の夏終わる
「高校野球・千葉大会4回戦、柏日体4-0拓大紅陵」(19日、QVC)
千葉大会では、春夏9度の甲子園出場を誇る拓大紅陵が、4回戦で敗退した。今夏限りでの勇退を表明していた小枝守監督(62)は、同校での最後の試合となった。
名将の最後の夏が終わった。試合は4度の好機を生かせず完封負け。小枝監督は「勝負は時の運。練習に費やした時間と労力は立派だった。最後まで一緒にできたことが幸せ」とナインをねぎらった。穏やかな口調に、少しの感慨がにじんだ。
81年就任。教え子は1000人を超える。モットーの『心を育む野球』で、92年夏の甲子園では準優勝した。この日の最後のミーティングでは『勝負は一瞬の行、鍛錬は千日の行』という言葉をナインに贈った。将来は指導者を志す小川駿主将(3年)は「技じゃなく心。相手を思いやる気持ちをたくさん学べた」と感謝した。
試合後、球場入り口にはOBら約500人が集まった。「長いようで短かった33年だった。本当に充実していた」と小枝監督。拍手を送られると、涙がこぼれた。