坂出商 20年ぶり聖地へ激闘制し4強
「高校野球・香川大会準々決勝、観音寺中央4‐5坂出商」(23日、レクザム)
坂出商が5‐4で観音寺中央との延長戦を制し、3年ぶりの準決勝進出を決めた。高松桜井は3‐2で香川西を下し、8年ぶりの4強入りを果たした。両校は26日の準決勝で対戦する。
坂出商が激闘を制した。延長十回2死一、二塁。8番・沢井が放ったゴロを相手の三塁手がはじくと、ボールが転がる間に二塁走者・金岡侑汰外野手(3年)が三塁を回り、一気に生還した。「勝手に体が動いた」という勇気ある走塁で勝ち越し点をもぎ取った。
3年ぶりの4強入り。宮武正義監督(48)は「接戦によく耐えた」と目を細めた。
序盤からリードを奪いながら、六回に追いつかれる嫌な展開。相手に傾きかけた流れを食い止めたのが、2番手の左腕・石塚大貴投手(3年)の好投だった。同点の八回から登板。サイドスローながら時々上手から投げるという“幻惑投法”で3回を無失点。勝利を呼び込む好救援に石塚は「思い切り投げられた」と胸を張った。
潜在能力が高い選手がそろいながら、昨秋の県大会は初戦で丸亀城西に0‐10のコールド負け。屈辱的な大敗からスタートしたチームは1年間、徹底的に走り込み、ウエートトレーニングを重ねて力をつけた。
春夏合わせて14回の甲子園出場を誇る名門も、1994年夏を最後に甲子園から遠ざかる。20年ぶりの聖地へ、あと2勝。四回に左越え本塁打を放った7番・松浦優一郎外野手(3年)は「甲子園を意識すると簡単にやられる。目の前のプレーに集中したい」と力を込めた。接戦をものにした勢いを準決勝にぶつける。