田嶋7回完封王手!佐野日大が決勝進出
「高校野球・栃木大会準決勝、佐野日大7‐0白鴎大足利」(26日、宇都宮清原)
佐野日大が白鴎大足利との今春センバツ出場校対決にコールド勝ちし、決勝に進んだ。今秋ドラフト上位候補左腕の田嶋大樹投手(3年)が今大会初先発し、3安打完封した。千葉大会では、東海大望洋が初優勝。神奈川大会では、横浜隼人が4年ぶりの4強入りを決めた。西東京大会では、日大三が準決勝で敗れ、4連覇を逃した。27日は11大会で代表校が決まる。
夏の重みが、クールな左腕の手元を狂わせた。最後の打者は投ゴロ。ところが、余裕を持って投げた送球が浮く。一塁手が辛うじて捕球し、試合終了。めったに表情を変えない田嶋が、苦笑いで手を合わせて謝った。
「手が震えて緊張して…。『エラーしたらヤバイな』とか余計なことを考えた。夏はちょっと違う」。7点リードの場面で、甲子園でもなかった初めての感覚を味わった。
独特な緊張感を持ちながら、今大会初先発で期待に応えた。直球は最速144キロ。序盤は抜けた変化球も徐々に修正した。この日も6球団のスカウトが視察。阪神の葛西スカウトは「柔らかさと強さを持った投手。直球の質がいい」と評した。
成長したのは試合を見通す能力だ。センバツは連投で敗戦。夏を見据え「暑さもある。リズムをしっかり考えながら投げる」と、強弱をつけた投球を覚えた。この日は8奪三振中、五回以降に5個。尻上がりの内容で、7回を完封した。
済美・安楽、前橋育英・高橋光らが敗退。田嶋は「みんな負けちゃってビックリしている。甲子園に誰が来るのか、どんなチームが来るか楽しみ」と言った。自分まで倒れる可能性は、みじんも頭にない。決勝は昨夏準決勝で敗れた作新学院戦。「借りがある。しっかり勝ちたい」と、連投の先にある歓喜を見据えた。