龍谷大平安 春夏連覇に向けて圧勝V
「高校野球・京都大会決勝、龍谷大平安10‐0京都すばる」(26日、わかさ)
史上8度目の春夏連覇を目指す龍谷大平安が京都すばるに10対0と圧勝。夏は2年ぶり33度目、春夏通算71度目の甲子園出場を決めた。和歌山大会は市和歌山が延長十二回、瀬戸口麗内野手(3年)のサヨナラ適時二塁打で智弁和歌山を下し、10年ぶりの甲子園出場を決めた。27日は11大会で代表校が決まる。
これほど静かな優勝の瞬間も、あまり見られない。府大会7度目の決勝戦で全勝となった原田英彦監督(54)は「点差があったからでしょう」と笑った。10点差で迎えた九回、この回からマウンドに上がったエース・中田が最後の打者を三振に仕留める。そしてさも当然のように、龍谷大平安の20人は、ホームベース前に整列した。
もちろん、点差だけではない。原田監督はその言葉を“封印”していたが、ナインは甲子園での「春夏連覇」しか考えていなかった。だからこそ、この優勝を落ち着いて受け止めた。京都大会は「普通にやって、勝てた。そこはプラスに考えたい」と、河合泰聖主将(3年)。“打倒・平安”を掲げるチームとの差を、より広げる努力をしてきた自負がある。
センバツ後、チームは少し、浮ついた。原田監督は「テレビや雑誌、新聞の取材がある。彼女もできる。ツイッターに練習内容やプライベートを書き込む選手も出た、という報告も受けました」と振り返った。
原田監督は選手と個別の対話時間を設けた。めったにやらない原田監督自身の直接ノックも存分に振るって選手の意識を高めた。加えて「登下校中に、町の人から声を掛けられるでしょう。選手たちはもう、名前を覚えてもらってるんです。そんな視線をいただくことで、生徒は緩まずにいられた」と話す。
チーム内外の思いが一つになって得られた連覇への権利。春以上の大暴れを見せるしかない。