坂出商完敗…21安打を許し16失点
「全国高校野球・1回戦、敦賀気比16‐0坂出商」(11日、甲子園)
20年ぶり8度目出場の坂出商(香川)は、敦賀気比(福井)に完敗し、初戦敗退となった。エース左腕・金丸智哉投手(3年)が2本塁打を浴びるなど、相手打線に打ち込まれ五回で降板。打線も3安打と力を発揮できず、夏の甲子園で32年ぶりの勝利はならなかった。
完敗だった。21安打を許し16失点。県大会で強打を誇った打線もわずか3安打で完封された。20年ぶり出場の甲子園で、坂出商は残酷なまでに力の差を見せつけられた。
身長166センチの小柄なエース・金丸は「甘いボールを全部打たれた。悔しい」と唇をかんだ。直球は120キロ台だが、相手打者の打ち損じを誘う巧みな投球術で球威不足を補ってきた。変化球で緩急をつけ、打者によっては横手から投げたり足を上げるタイミングを変えたり工夫を重ねた。そんな独自の投法も甲子園では「通用しなかった」。連打の嵐を止められず、5回8失点(自責7)でマウンドを降りた。
学校創立100周年のメモリアルイヤーに、ノーシードから勝ち上がって聖地切符を手にした。1955年夏に甲子園で準優勝の経験もある伝統校の復活に地元は沸いた。夏32年ぶりの勝利は夢と消えたが、宮武監督は「ここまで頑張ってきたことは消えない」とナインをたたえた。
「全国は甘くない。もっと力をつけて来年も甲子園に来てほしい」。小さなエースは後輩たちに夢を託していた。