日大鶴ケ丘・秋山2失点完投に悔いなし
「全国高校野球・1回戦、富山商2-0日大鶴ケ丘」(11日、甲子園)
背番号1が聖地で見せた意地の力投は実らなかった。日大鶴ケ丘は先発の秋山翔投手(3年)が8安打2失点で完投したものの、打線が富山商の好投手・森田の前に沈黙。完封で初戦敗退となった。
西東京大会では春以降に急成長した小林晃大投手(3年)が6試合中5試合に先発し、秋山の先発は1試合のみ。だが甲子園入り後、小林が不調に陥り、萩生田博美監督(41)は安定感をかって秋山を先発に起用した。
開始2時間前に告げられ「緊張した」という秋山だったが、強心臓ぶりを発揮。五、六回に1点ずつを失ったが「任されたからには最後まで投げてやろうと思った」と、その後は無失点に抑え、「楽しかった。高校に入って一番の投球ができた。悔いはない」と、笑顔で敗戦を受け入れた。
萩生田監督も「彼も、もんもんとしていたと思うが、それを出してくれた。小林との切磋琢磨(せっさたくま)でここまで来られた」と目を細めた。涙なく甲子園を去るエースは、進学後も野球を続ける。