春日部共栄、初回一挙5点で春王者撃破

 「全国高校野球・1回戦、春日部共栄5-1龍谷大平安」(11日、甲子園)

 緊張も重圧も、春夏連覇の野望までも一気にのみ込んだ。センバツ優勝校を開幕試合で撃破。「信じられません。これを会心と言わず、どの試合を会心というの?」。春日部共栄・本多利治監督(56)の顔に、満面の笑みが広がった。

 電光石火の先制劇だった。初回に5安打を集中。3番・守屋の中犠飛で先制すると、下位打線の3連続適時打などで、一挙5点をもぎとった。

 相手の王者ゆえの重圧を、指揮官は「初回に投手の硬さが生まれる」と分析。普段は後攻を好むが「絶対に先攻を取れ」と、小林主将に指示していた。ジャンケンに勝った小林は、いつも通り「後…」と言いかけ、あわてて「先攻」と訂正。読みはズバリ的中した。

 9日のミーティングでは、大観衆の中で野球ができる幸せを強調。センバツ王者との開幕試合という事実より、自分たちに目を向けさせた。「本当にそう思ったので、幸せだなと感じながら今日は野球をしました。まだ1回戦だしと思って、楽になりました」。そう話したエース左腕・金子大地投手(3年)は1失点完投、打っても適時打の活躍だ。

 注目度満点の一戦で挙げた白星は、埼玉県勢春夏通算100勝、春日部共栄の同10勝というW記念星。「思っている以上に、選手がのびのびやってくれた。感謝してます」と本多監督。普段着野球でつかんだ波は、まだまだ大きくなりそうだ。

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