利府やった宮城県公立校31年ぶり勝利
「全国高校野球・1回戦、利府4-2佐賀北」(13日、甲子園)
初出場の利府(宮城)は、2007年優勝の佐賀北(佐賀)に競り勝ち、宮城県勢春夏通算90勝目を挙げた。
ヒーローは2年生の“前主将”だ。利府が1番・万城目晃太外野手(2年)の2安打3打点の活躍で初戦突破。宮城県勢春夏通算90勝目、夏の甲子園で宮城の公立校31年ぶりの白星を挙げた。
まずは五回2死二塁。万城目は中堅のグラブをはじく先制の適時三塁打を放つ。2‐2に追いつかれた六回2死満塁では決勝の2点適時中前打。「1、2打席がよくなかったので、好機で2本打ててよかった」と笑顔で大仕事を振り返った。
苦悩が成長させた。昨年11月に2年生で主将に抜てきされたが、それは「3年生はどう思うのか考えて苦しんだ」と重荷になった。一時は食事も取れず、20打席以上も無安打の不振に陥り、5月には主将を上野幹太外野手(3年)と交代した。
重圧から解放されると復調。今では「見えなかったものが見えるようになった。あの苦しみがあったから今、野球ができている」と、主将経験をプラスに捉えている。目標は「全国制覇」。東北勢初の頂点だけを見据えている。