市和歌山サヨナラ負け ミスの山根号泣
「全国高校野球・1回戦、鹿屋中央2-1市和歌山」(13日、甲子園)
1回戦4試合が行われ、市和歌山(和歌山)は大会初の延長となる投手戦で鹿屋中央(鹿児島)を相手に、しぶとい野球を披露したが、十二回に守備で痛恨の判断ミスが出て、力尽きた。
これだけ頑張ってきた選手に、まだ厳しい試練が待っていた。息詰まる投手戦は延長に突入、同点の十二回裏だった。1死一、三塁。守る市和歌山は、併殺も視野に入れた中間守備を選択。
相手9番・米沢の打球は名手・山根のほぼ正面に飛んだ。三走はスタート。負けない選択肢はバックホームか4‐6‐3の併殺しかなかった。
ほんの一瞬、手元で弾んだボール。4‐6への流れが断ち切られ「頭が真っ白になった」山根が、かすかな望みを持って一塁へ送球。そこで三走の生還に気づかされた(記録は二塁内野安打)。
その場に崩れ落ち、泣きじゃくる山根。「試合を台無しにしてしまった」と悔恨の言葉を絞り出した。しかし初回1死満塁で二ゴロを軽快に併殺。二回1死一塁では、エンドランがかかっていながらこれも二ゴロを判断よく併殺に。他にも何度となくチームを救った。
半田真一監督(34)は「山根は体も小さくて、最初は劣等感があった。そこから自分の持ち味を見つけてピカイチの守備を身につけた。みんな納得しているはず」とむしろここまでの姿をたたえた。
結果は初戦敗退。しかし努力家の山根はこの試練を、次の人生に生かすはずだ。