山形中央・石川6失点も逆転にホッ
「全国高校野球・1回戦、山形中央9-8小松」(14日、甲子園)
山形中央(山形)はプロ注目・石川直也投手(3年)が小松(愛媛)の猛攻に四回途中降板も、打線の奮起で逆転勝利。
仲間に救われた。山形中央の191センチ右腕・石川がまさかの四回途中6失点降板。ベンチで劇的逆転を見届け「すごく感謝している」と息をついた。
初回から制球に苦しんだ。三回は140キロ台の直球も次々とはじき返され、4連続適時打を浴びた。「直球が浮いて、修正できなかった」と反省した。
だが、やるべきことは怠らなかった。3点を追う九回も「見るべきところを見て、声をかけていた。落ち着いていました」と、打撃の助言を送った。苦しい時ほど、自分でやれる役割を全うする『自分力』がチームのテーマ。あと1死から、5番・高橋和が同点三塁打、6番・中村が勝ち越し適時打。九回に2点差を逆転した山形大会決勝同様のミラクルを起こしてみせた。
打たれたとはいえ、自己最速を2キロ更新する147キロを計測。「191センチもあって角度がある。フォークもある」(阪神・葛西スカウト)と、将来性へのプロの注目度は高い。「1回死んだと思って、もっと攻める投球をしたい」と石川。次こそ本来の姿を聖地で披露する。