健大高崎11盗塁!激走で10点爆勝
「全国高校野球・2回戦、高崎健康福祉大高崎10-0利府」(18日、甲子園)
高崎健康福祉大高崎(群馬)が、大会記録にあと2と迫る11盗塁に成功。15安打10得点で利府(宮城)を圧倒し、3回戦に駒を進めた。
出したら最後だ。一塁走者は気付けば二塁へ、三塁へ。1953年の土佐が記録した大会記録の1試合13盗塁には及ばなかったが、健大高崎が11盗塁を決め、利府に大勝した。
初回から全開だった。1死から四球で出塁した星野が、脇本への初球で二盗に成功。内野安打の脇本も二盗、三盗を決め、流れを完璧に引き寄せた。
さらに2点を先制後の二死二塁から三盗を決めたのは、チームで2番目に足が遅い50メートル6秒6の柘植。相手投手の足を高く上げるモーションに、走れると確信した。「足は遅いけど、スタート練習はずっとやってきた」。好機を広げ、3点目のホームを踏んだ。
俊足ばかりではない。50メートル5秒台の選手も先発ではゼロ。“爆走”を支えるのは徹底的な意識改革と走り込みだ。入学後、練習試合ではまず「走れ」。盗塁死は問題なく、走らなければ雷が落ちる。スタートを切る勇気を全員に植え付ける。
そこから技術に移る。スタート、姿勢、スライディング…。今年の5月以降は、走塁練習だけで2時間を超える日はザラ。甲子園に来てからも、練習時間の半分を割く。この日4盗塁の脇本も「やるべきことはやってきた」と胸を張る。
自慢の足に強打がかみ合い、この日は15安打。柘植は4安打5打点の大暴れだ。「隙があったらどんどん走りたい」。快足集団はまだ加速する。