山形中央 無安打の佐藤僚→石川で完封
「全国高校野球・2回戦、山形中央2‐0東海大四」(19日、甲子園)
ブレない采配が勝利を呼んだ。山形中央の六回のマウンドに、五回まで無安打投球を続けていた先発・佐藤僚亮投手(2年)の姿はなかった。後を受けたのは石川直也投手(3年)。毎回安打されながら今大会の投手最速となる148キロの直球で押し込み、延長十回、勝負が決するまで1点も与えなかった。
庄司秀幸監督(38)は「展開を考えてベストはあそこという判断。(六回の先頭の)1番打者が佐藤僚に合ってた」と説明。「勝つために監督がブレたら選手の足を引っ張る。(無安打という)結果に左右されたくなかった」と信念を貫いた。
無安打投球の佐藤僚から石川にスイッチという継投は、山形大会でも2試合あり、佐藤僚は「勝つための交代です」と、さばさばした表情。石川は「県大会でもあったので驚かなかった」と平常心で好投した。
チームは延長十回、相手の失策につけ込み、決勝の2点を奪った。勝利のために振るった、一見非情とも思える采配。山形中央の“勝利の方程式”は、どんな状況でも揺るがない。